『ジェットコースターに乗る前にはおむつを穿く』(1)
🕑 Added 2024-05-24 11:41:22 +0000 UTC
◆題名と著者
『ジェットコースターに乗る前にはおむつを穿く』
江戸山乱理
◆あらすじ
芽衣子一家は遊園地へ遊びに行った。妹の彩香はジェットコースターに乗りたがったが、姉の芽衣子は二の足を踏んでいた。なぜなら、昨年ジェットコースターに乗って、怖くておしっこをちびった経験があったからだった。ママはそんな芽衣子をサービスセンターに連れて行った。そこで芽衣子は係員にやさしくおむつを穿かせてもらったのだった。約58000文字。
◆登場人物
芽衣子……姉
彩香……妹
◆目次
【前半部】去年の失敗の回想
一章 お姉ちゃんなのに(1-4)
二章 多目的スペースでの後始末(5-10)
三章 妹の服を着る(11-15)
四章 ツンツルテンのスカート(16-21)
【後半部】今年のジェットコースター
五章 一年振りの再挑戦の前に(22-26)
六章 親切な係員の女性(27-32)
七章 開脚と露出とおむつ(33-38)
八章 彩香の羨望の眼差し(39-41)
九章 ジェットコースターからサービスセンターへ(42-45)
十章 新しいおむつ(46-50)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ジェットコースターに乗る前』
江戸山乱理
【前半部】去年の失敗の回想
一章 お姉ちゃんなのに(1-4)
1 芽衣子のためらい
土曜日の午前中なので、バズニーランドの場内の混雑はそれほどではなかった。
芽衣子と彩香の姉妹は、念願のバズニーランドに連れてきてもらって、大はしゃぎだった。姉妹はママと一緒に三人で、朝から施設内の色々なアトラクションに乗って回った。
「次はあれに乗ろうよ」
姉妹で仲良くメリーゴーランドに乗った後、妹の彩香はそう言って指を斜め上の方へ向けた。
姉の芽衣子は、振り返って、そちらの方へ視線をやった。それと同時に、頭上のレールの上をジェットコースターの車両が轟音と共に、一瞬で過ぎ去った。
(おおっ、ビックリしたぁ)
ものに怯えやすい芽衣子は思わず肩をすくめた。
そのジェットコースターは、このテーマパークの目玉のアトラクションで、ハイパースパイラルという愛称がつけられていた。その名の通り、レールは遙か上空何十メートルもの高さを走り、縦横斜めに何重ものループが備わっていた。
「あれに乗らなきゃ、ここに来た意味がないよね。ねぇ、お姉ちゃん」
「そ、そうだね」
「混まないうちに、今のうちに乗っておこうよ」
彩香はチビのくせに怖いもの知らずのお転婆だった.。一方の芽衣子は、
「うーん……」
と、いまいち煮え切らない態度だった。その怯んだ表情をめざとく見て取って、彩香は、
「あれ、お姉ちゃん、もしかして、ああいう絶叫マシンに乗るのが怖いの?」
と、ちょっと姉を馬鹿にしたように、しかも、ママに聞こえるぐらいの大声で言った。
「ち、違う」
「違うなら、乗ろうよ」
「ん……」
芽衣子は妹にえらそうな口をきかれて、ちょっとカチンと来た。しかし、面と向かって言い返せない理由があった。口ごもっている所に、ママが割って入った。
「芽衣子、どうする?こわいなら、無理して乗らなくてもいいのよ」
「そうねぇ。どうしようかな、乗ろうかなぁ……」
と芽衣子は相変わらず、煮え切らない態度だった。芽衣子がそのような反応になってしまうのには、やむを得ない事情が過去にあったのだった。
* * * * *
2 回想のおもらし
それは一昨年のことだが、ある別の遊園地に遊びに行って、今回みたいにジェットコースターに乗ることになった。本格的なジェットコースターに乗るのは姉妹ともに初めての経験だったので、二人ともドキドキしていた。
いまから思い返しても滑稽だが、車両の中に座って、いよいよ出発するという寸前までは、芽衣子はお姉ちゃんぶって、彩香に「ちゃんと、持ち手につかまっているんだよ」などと、えらそうに言った。ママは乗らずに、下で待っていたから、(ここは自分がママの代りにならなくちゃ)などと勝手に思い込んでしまったのだ。
しかし、ジェットコースターがコースを一巡して、二人がママの待っている降り口にまで戻ってきた時には、姉妹のそのような上下関係はすっかり逆転していた。お姉ちゃんの芽衣子の方がベソをかいていて、それを妹の彩香が手を引いて、導くようにママの所へ連れてきたのだった。
「まあまあ、芽衣子。どうしたのよ、泣いちゃって。そんなに怖かったの?」
とママは驚いて二人を代わる代わるに見た。しかし、芽衣子は顔をブルブル振るばかりでまともに答えられもしなかった。代りに口を開いたのは彩香だった。
「あのね、実はお姉ちゃんが……」
「どうしたのよ」
「それがね……」
彩香はそれを言っていいのだろうかという様子で、チラチラと芽衣子の顔をうかがっていたが、ママにうながされて、
「お姉ちゃんがね、おしっこもらしちゃったのよ」
とついに言った。
「えっ、おしっこ?」
「そう。こわくて我慢できなくなったみたい」
彩香がそう言うのを聞くと、ママは芽衣子に向かって、
「そうなの?」
と訊いた。しかし、芽衣子は顔を真っ赤にして、やはり黙って頭を振るだけだった。
やむなく、ママは首を伸ばして、芽衣子の肩越しに背中側をのぞき込んだ。芽衣子のスカートのお尻の部分には、丸く歪な暗い模様ができていた。一目で濡れている染みだと分かった。ただ、見ただけでは、おしっことは断定できず、もしかして、水筒のお茶をこぼしたという可能性もなきにしもあらずだった。ママは念のため、芽衣子本人に確かめようと思った。
「えっと……、芽衣子。スカートのお尻の染みは、どうしたのかな?」
ママは、責めるつもりはなく、なるべくやさしそうに訊いた。
しかし、芽衣子は、そう言われた途端に、「うっ」と本格的に泣き出してしまった。ママはちょっと困ってしまったが、そういう反応をするということは、スカートが濡れた原因はおしっこだと告白したに等しい。両手を目に当てて泣きじゃくる芽衣子の姿は、背は高いのにまるで小さな幼女のようだった。
「あらら、泣いちゃった。ママはね、別に怒っているわじゃないのよ」
ママは芽衣子の頭をヨシヨシと撫でて慰めやると、芽衣子は少しは落ち着いたようで、ようやく口を開いた。
「ママ、ごめんなさい。私、おしっこちびちゃったよ」
「ジェットコースターが怖かったのね?」
「うん、そうなの」
芽衣子はコクンと童女のようにうなずいた。
ママは笑みを浮かべていたが、内心では、
(それにしても、ずいぶんともらしちゃったのね。スカートの後ろがビッショリじゃないの。これは、ちびったっていう量じゃないでしょうに)
とお姉ちゃんの久しぶりのおもらしに半ば呆れてもいた。
3 ママとのお着替え
「ねえ、ママ、どうしよう」
芽衣子は救いを求めるように上目遣いをした。
「どうしようたって、着替えなきゃ、しょうがないでしょ」
「でも、着替えるって言っても……」
「大丈夫、着替えはあるから。ママはちゃんと持って来たのよ。気が利くでしょ。パンツとスカート、この鞄の中に入っているよ」
「へぇ、そうなの。ずいぶんと用意がいいのね」
「そうでしょ。でも、それは芽衣子の服じゃなくて、彩香の服だけどね。だって、まさかお姉ちゃんのあなたがおもらしするとは思わなかったからね」
「……」
芽衣子はママにそんなことを言われて、くやしくなって、また泣きそうになったが、なんとか今度はグッと堪えた。心の中では、
(そんな意地悪言わないでよ)
と腹立たしく感じたが、今のこんな状態でママと口喧嘩する気はなかったし、おもらししてしまった身では、えらそうなことを言う資格はない。それに、着替えがあるだけ、御の字とすべきだった。芽衣子はさすがにお姉ちゃんなので、それぐらいの分別はついた。
「じゃあ、行きましょうか」
とママは芽衣子の手を取って、どこかへ連れて行こうとした。が、その直後、「ああ、そうだった。その前に……」と言って、またその手を離した。
「何?」
「二人とも、そこでちょっと待っててちょうだい。係員の人に一言言っておかないとね」
「一言って?」
「座席が濡れてるって言っとかないと、次に座った人が大変なことになるでしょ」
「そこまでは濡れてないよ。そんなの、いいじゃない」
「そういうことはちゃんと言わなきゃダメなのよ。すぐに戻ってくるから」
ママはそう言い残して、ジェットコースターの乗り場に通じる階段を上がって行った。
芽衣子は彩香と二人きりで残されて、ちょっと気まずくなった。ママがいなくなって手持無沙汰になると、急にお尻の濡れたパンツが冷たく、気持ち悪く感じ始めて、早く着替えたいと思った。
彩香は芽衣子の背後をのぞき込んで、芽衣子の方を見た。それは、「お姉ちゃん、盛大にやったもんだねぇ」とでも言いたげなニヤニヤ顔だった。芽衣子は、自分が悪いのは分かっているが、妹に対する対抗意識がムラムラと込み上げてきて、「何よ、あなただって、おもらししたことぐらい、あるでしょ?」というような、ふて腐れたような表情で彩香を見返した。
二人は生垣を背後にして立っていたので、前の道を多くの通行人が行き来したが、誰も芽衣子のおもらしには気付かなかった。
4 多目的スペース
「あ、ママだ」
彩香が見上げて手を振った。ママも手を振り返しながら、階段を下りて戻ってきた。
芽衣子は、ママと係員の間でどんな会話があったのか知りたかったが、それを聞くのがこわい気もして黙っていた。ママからも何も言わなかったが、その表情は普段通り穏やかだったので、特に大きな問題にはならずに、話はついたのだろう。
(ジェットコースターに乗って、子供がおもらしするのって、よくあることだから、係員も慣れているのだろうか)
芽衣子は自分に都合の良いように考えておいた。
「二人とも、お待たせ。でも、彩香は、もうちょっと待っていてちょうだいね。その辺のベンチにでも座ってて。ママは、芽衣子の着替えをさせてくるから」
今度は、ママは彩香を一人だけを待たして、芽衣子の手を握って、連れて行った。
芽衣子は、スカートのお尻の濡れそぼった部分に片手を後ろに回して、なんとなく隠しながら、ママと一緒に歩き出した。
「ねえ、ママ、どこへ行くの?」
「お手洗いで着替えるのよ。えーと、あ、あそこでいいわね」
運良く、数十メートル先にお手洗いが見えたので、二人はそこへ向かった。
そんな短い距離だが、芽衣子は歩いている途中、お手洗いに着くまでに、何人もの通行人の視線がお尻に刺さるのを感じて、恥ずかしさで胸がドキドキした。自然と早足になって、逆に芽衣子がお母さんを引っぱるようにお手洗いへ駆けこんた。芽衣子は女子用の赤いマークを確認して、
「こっちだね」
と入ろうとした。が、ママに止められた。
「そこじゃないよ、こっちに来なさい」
右が女子用で、左が男子用で、さらにその横に扉があって、ママはそれを開けて、芽衣子を連れ込んだ。
(ここは多目的スペースというやつだな)
芽衣子はその存在は知っていたが、実際に入るのは初めての体験だった。内部に足を踏み入れて見渡すと、そこは三畳ほどの空間で、洋式便器と洗面台があって、壁際には小さい台も備わっていた。女子トイレの狭い個室で着替えるよりは、こちらの方が都合良さそうだった。
(でも、ここって、おもらしの着替えのために使ってもいいんだよね……)
多目的なのだから、そういう目的で使ってもいいはずだ。しかし、そういう使われ方をするのは滅多にないだろうなと芽衣子は思った。
ともかく、周りの視線から逃れられて、芽衣子はフゥと溜息をついた。
ママは鞄を台の上に置くと、ガサゴソとビニール袋を取り出した。その中に着替えが入っているらしかった。
「芽衣子、ボケっとしてないで、濡らしたパンツ、さっさと脱ぎなさい。彩香を待たせているんだからね」
「あ、そうだった」
芽衣子は言われるがままに、スカートの中に両手を突っ込んで、パンツを脱ぎにかかった。それはお尻と股に濡れてくっついていたので、引き剥す時にヌチャッと卑猥な音がした。
二章 多目的スペースでの後始末(5-10)
5 濡れたパンツを脱ぐ
おしっこでグッショリ濡れたパンツを膝まで下ろしてから、
(あっ、そういえば、靴を穿いてたんだ)
と芽衣子は気付いて、中途半端な姿勢で動作を止めた。本来なら靴を脱いでから、パンツを脱ぐべきだったのに、順番を間違えた。普段の生活では、靴を穿いたままパンツを穿き替えるなんてことはしないので、つい、そんなヘマをやってしまった。
「ええっと、これどうしよう……」
「靴を先に脱がなきゃダメじゃないの」
とママは呆れたように言うと、芽衣子の足元に屈んで、その運動靴のマジックテープをバリバリと剥して、脱げるようにした。
「ありがとう、ママ」
「でも、足を床につけないようにしてなさい。床のタイルは水で濡れてるみたいだから、靴下が濡れちゃうよ」
「あ、本当だ」
芽衣子はそれに今気づいた。片足ずつ浮かして、パンツを足から引き抜こうとしたが、ヨロヨロとよろけて転びそうになった。
「危ない。もう、ママがやってあげるから、芽衣子はジッとしてなさい。手間のかかる子だこと」
「うん、じゃあ、お願い」
こういう場合は、変に抵抗してもママの機嫌を損なうだけだということを、芽衣子は今までの経験からちゃんと知っていたので、素直に答えた。逆に、言われるがままに従っていれば、ママはやさしくして扱ってくれるはずだった。そういうわけで、芽衣子はママに身を委ねた。
「この台にお手々をつきなさい」
「こう?」
「そう。ママが『もう、いいよ』って言うまで、そのままにしているのよ」
「はい、ママ」
芽衣子は、(ここは良い子になっておこう)と思いながら、台の上に両手をついて、ママにお尻を向ける格好になった。
ママは背後に回って、芽衣子のパンツを足首まで下ろした。そして、片足ずつ靴を脱がせて、パンツが靴で汚れなよう慎重に、だが素早く、両足首から引き抜いた。
パンツを脱がされて、芽衣子はさすがに平静ではいられなかった。今、背後でママが自分のおもらしパンツをジックリと観察しているのだと思うと、恥ずかしくて堪らず、後ろを振り向けなかった。しかし、ママは、
「芽衣子、こっちを向きなさい」
と言って、芽衣子の肩に手を乗せた。やむを得ず、芽衣子は振り返った。ママは、脱がせたばかりのまだ体温の暖かみの残るパンツを広げて持っていて、あたかも芽衣子に見せつけているようだった。
(ママ、何のつもり?)
「ほら、これがあなたが濡らしたパンツよ。自分でもよく見てみなさい」
とママは言って、それを芽衣子に手渡した。
芽衣子は自分のパンツなので、嫌だとも言えず、オドオドと受け取った。ただ、内心では、おもらしパンツがどうなっていたのかを自分でも確認したいとも思っていた。それは白色の布地にサクランボの柄がついたパンツで、お気に入りの一枚だった。
(ああ、このパンツをおしっこで濡らしちゃったのか……)
サイズとしては小さい布に過ぎなかったが、持つと意外にズッシリとして、おしっこをタップリ吸い取ったのが分かった。
芽衣子はさっきまで穿いていたその自分のパンツを広げたり、裏を返したりして、観察した。お股の部分がグッショリなのはもちろん、おしっこの染みはパンツの後ろ側の半分以上も広がっていて、おもらしの大きさを如実に物語っていた。芽衣子は自分の感覚では、ほんのちょっとちびっただけかと思っていたので、
(こんなにたくさんもらしたのか)
と改めて驚いた。
ふとパンツから顔を上げると、ママが真顔で芽衣子のことを見ていた。
(ママが私の顔をジッと見ている……。ママ、怒っているのだろうか……)
芽衣子はおもらしパンツを両手で持ってぶら下げたまま、恐ろしさやら恥ずかしさやらで、不意にうっと涙が込み上げてきて、顔をしかめた。しかし、ママは、
「それぐらいで泣かないの。芽衣子はお姉ちゃんでしょ」
と優しい声で言ったので、芽衣子もグッと歯を食いしばって、それ以上泣くのは我慢した。辛うじて涙は零さなかった。
「じゃあ、スカートも脱ぎましょうね」
とママは言って、再び芽衣子の前にしゃがんで、スカートのボタンをはずした。スカートは、パンツよりも手間がかからず、簡単に脱がされた。
芽衣子の下半身はスッポンポンになった。
6 おむつ交換台
(ううっ。なんか、これ、変な感じ……)
スカートもパンツも脱いだのに、靴と靴下は穿いているという状態は非常に違和感が強かった。濡れた股間に外気が直接当たって、スースーと心細かった。
横の壁に全身が映るぐらいの大きな鏡がはめ込まれていたので、芽衣子のその前に立ってみた。その鏡の中には、上着は着ているのに、下腹部から足首までの素肌を晒しているという奇妙な格好の少女が立っていた。その滑稽とも悲惨とも、何とも言えない姿に、芽衣子自身もたじろいだ。
(ちょっとおもらしをしたばっかりに、こんな恥ずかしい格好をさせられている……。)
芽衣子は、おもらしをした罰でこんな目に遭わされているわけではないと重々承知してはいたが、それでもやはり、身がすくむ思いだった。
ママはスカートの濡れ具合を確かめながら、両足をクネクネさせている芽衣子に、
「誰も見てないんだから、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない」
と言った。
「そ、そっかな……」
「あなた、お風呂上がりに、家中をスッポンポンで走り回ってるでしょ」
家では芽衣子は、お風呂上りに一糸まとわぬ全裸で居間のソファに寝転がって涼むなどという無作法を未だにしていた。そんな行為を考慮すれば、今この場所で、ママに裸を見られて恥ずかしがるというのは筋の通らない話だった。
(そう言われれば確かにそうだな。いやでも、お風呂上がりと、おもらしは話が違うからな……)
やはり芽衣子は気まずい思いだった。
ママは傍の洗面台でパンツとスカートをジャブジャブと手洗いしていた。その間、芽衣子は何もすることなく突っ立って、手持無沙汰だった。何となく周囲をキョロキョロしたりして、間を持て余した。
芽衣子は、さっきから目の前の台が気になっていた。それは腰ぐらいの高さで、幅は一メートル弱程あって、表面は柔らかいクッション張りだった。しかし、椅子でもないだろうし、寝そべるには小さ過ぎるので、芽衣子にはいまいちその用途が分からなかった。
「ねえ、ママ。この台って何なの?」
「それ?それはおむつ交換台だよ」
「おむつ?」
「そう。そこに赤ちゃんを乗っけて、おむつを交換するのよ」
そう言われて、改めて台を見ると、その形も大きさも、赤ちゃんに適した作りで、芽衣子は(なるほど)と納得できた。
さらによく見ると、台座の側面にラベルが貼ってあって、おむつ姿の赤ちゃんのイラストと、細かい文字の説明文があった。顔を近付けて読んでみると、確かにおむつ替え台という文字があった。
(この台って、そういうことをするためのものだったのか……)
芽衣子はそのおむつ交換台の上面に手をついて、体を寄りかかっていたのだが、その正体を知って、何となく気安く触ってはいけような気になってしまい、そこから一歩離れた。今の芽衣子とそれは何の関係もないはずだった。しかし、おむつ替えではないにしても、赤ちゃんのようなおもらしの後始末という点で、一脈通じる所があった。
(こんな時に、変なことを訊いてしまった。やぶ蛇だったなぁ)
芽衣子はさらに気まずい思いをした。それでも、表情だけは変えずに澄ました顔をしていた。
しかし、ママは芽衣子をチラリと一目見るだけで、すぐにその内心を見透かしてしまったようで、
「どう、あなたも?うふふ」
とニヤニヤしながら、からかうように言った。
「どうって、何が?」
「その上に、ゴロンして、お着替えしようか。いいんだよ、そうしたって」
「えっ……」
芽衣子はいきなりそんな突飛な提案をされて、どう受け答えしていいのか分からず、口ごもった。また、「ゴロンする」などという幼児語を当たり前のように使われて当惑した。
「あら、そうしたいのかしら」
「ち、違う。したくないよ。私、立ったままでいいもん」
「あら、立っちしたままでできるの。やっぱり芽衣子はお姉ちゃんだね、えらいね。うふふ」
(またママは『立っち』なんて幼児語を使ってる……。それに、『えらい』って言っても、本心では褒めてないよね。なんかバカにされてるみたい……)
芽衣子はまだまだ幼いとはいえ、それぐらいのことを察する能力はすでに持っていた
7 放尿
芽衣子は、もうそろそろ待ちくたびれて、
「ねえ、ママ、まだ洗ってるの?早く着替えさせてよ。私、もうずっとスッポンポンのままなんだよ」
と言って、自分の剥き出しの下半身を突き出した。
「はいはい。でも、もうちょっと待って。すぐに洗い終わるから」
「ママ。着替えは本当にあるんだよね?」
「あるから、心配しないで」
「じゃあ、早くそれ頂戴」
「その前に体を拭いてあげるわ。そのままじゃダメでしょ?」
「……別にいいけどね」
「良くはないよ」
「そう……。じゃあ、拭いて」
「でも、拭く前に、もう一つね……」
「まだ、何かあるの?」
「うん」
「何よ、もったいぶらないで、言って」
「芽衣子、今、おしっこしたくない?」
とママは言いながら、部屋の反対側に顔を向けた。その視線の先には洋式便器が鎮座していた。
「えっ……」
「おしっこよ」
「おしっこ?、えーと」
芽衣子は急にそんなことを訊かれて戸惑ったが、ともかくも、自分の状態を顧みた。しかし、おしっこをしたいという感じはなかったので、「いや、したくないよ」と首を振った。
「あら、そうかしら」
「そうだよ」
「でも、しといたら?」
「したくないってば」
「まあ、まあ、そう言わずに」
とママは宥めるように言うと、手洗いしていたパンツとスカートをギュッと搾って、洗面台の端に置いた。そして、芽衣子の背中を押して、部屋の隅にある洋式便器の方へ誘った。
芽衣子は便器の真ん前で直立して、しばらくの間、それを見下ろしていたが、やはり、おしっこをしたい気にはならなかった。
「ママ、やっぱり、出ないよ」
と芽衣子は背後のママを振り返って言った。
「まあ、そう言わず、一度、座ってみたら?出るかもよ」
「出ないと思うけど」
「一回試してみなさい」
「出ないよ、きっと」
「芽衣子、良い子だから、ママの言うことを聞いて。ね?」
「もう、しょうがないなぁ」
芽衣子はママに押し切られる形で、「意味ないと思うけど」と一人つぶやきながら、渋々とママの指示に従った。芽衣子は便座にお尻をつけて腰かけた。パンツもスカートも穿いていない状態なので、そのままチョコンと座るだけであった。
ママは芽衣子を見下ろした。芽衣子もママを見上げた。二人の間に、十数秒の沈黙が続いた。
芽衣子は、「ほら、やっぱり、出ないでしょ」と言おうとした。しかし、その瞬間、体の奥から何かの衝動が込み上げてきて、胴がブルっと震えた。
(え?これって、まさか……)
啖呵を切るように、「出ない」と言ったのに、いざ便器に腰掛ると、条件反射なのか、猛烈に尿意を催した。芽衣子は、我が事ながら、その体の反応に驚いた。
「マ、ママ。おしっこ出るよぅ」
と芽衣子はつい情けない声で叫んでしまった。
「いいよ。おしっこしようね」
とママはうれしそうにニコッと微笑んで見せた。
その時には、すでにおしっこはシャーと勢いよく放たれていた。そのほとばしりは便器の内側で跳ねて、お尻の下からはジョボジョボと水音が立った。芽衣子は気持ち良くて、不覚にも「んぁっ」と声をもらした。
「ほら、出たじゃない。ママの言った通りでしょ?」
とママは勝ち誇ったように言って、芽衣子の柔らかい頬をツンツンと突いた。芽衣子は放尿の真っ最中で、その心地良さに浸っていたので、「頬っぺたをツンツンしないで」などと言う余裕はなかった。
一旦出し始めたおしっこは、後から後からいくらでも出てきて、芽衣子は、恥ずかしいという感情を覚えるどころか、半開きの口から吐息をもらしながら、恍惚とした境地に入っていた。しばらくの間、個室の中には水音だけが鳴り響いた。
8 拭いてもらう
芽衣子はおしっこをすっかり出し切ると、冷静さを取り戻して、
(うう、私、ママに見られながら、おしっこしちゃった……)
と改めて自分の犯した失態を認識した。おもらしをしたわけではないが、それと似たような気まずさがあった。
あれだけ「出ない、出ない」と連呼していたのに、しっかりと大量の放尿をしてしまって、芽衣子は顔を赤くした。しかし、チラリと上目遣いをして、ママの表情をうかがうと、ママはニコニコしていたので、芽衣子はとりあえずは安堵した。
「芽衣子、おしっこ、いっぱい出たね」
「……うん、出た」
「すっきりした?」
「……うん、した」
「よし、じゃあ、立っちしようか」
とママは芽衣子をそのまま立たせようとしたので、芽衣子は、
「ちょっと待って、ママ。まだ拭いてないよ」
と驚きの声を上げた。物心ついて以来、ママが見ている前でおしっこをしたのも初めてだが、おしっこして拭かずに済ますなどという行為も、今までしたことはなかった。
しかし、ママは、
「いいから、立って」
と強引に手を引っぱるので、結局、芽衣子は立たされてしまった。
芽衣子の股間はおしっこで潤びていたので、便座から腰を浮かせて立ち上がると、一、二粒の雫が内ももの表面を伝って流れた。芽衣子はそれをごまかすように両太ももをモジモジと擦りあわせた。
(ん……。おしっこ、垂れちゃった)
「ふふ、大丈夫よ。ママがきれいにしてあげるから。これで拭くね」
その手には、手洗い済みの芽衣子のおもらしパンツが握られていた。
「それで拭くの?」
「そうよ。タオルの代わりよ」
ママはタオルぐらい持っていたはずだが、それを娘のおもらしの後始末に使って汚すのはもったいないので、芽衣子自身のパンツで代用すればいいという考え方なのだろう。
「ここに立って」
とママは言って、芽衣子におむつ台に手をつかせた。そして、ママはその場にしゃがんで、その固く搾ったパンツを芽衣子のへその辺りに当てて、キュッキュッと拭き始めた。
(ママ、今日はやけに強引だな)
と芽衣子は思ったが、おもらしをしたという弱みがあるので、あまり強くは出られず、されるがままに任せた。ママの手付きは力強く、芽衣子の下腹部や太ももをゴシゴシと擦るように拭いた。芽衣子はくすぐったくなって、
「んん……」
と百合はグネグネと身をよじって、腰を引きそうになった。しかし、ママに、
「芽衣子、イヤイヤしないの」
と戒められて、姿勢を元に戻した。
ママは芽衣子の体の前面を拭いていたが、やがて手を伸ばして、芽衣子の両足の間へ割って入ろうとした。
「芽衣子、お股を拭いてあげるから、足を開いて」
「うん……」
「もっと開いて」
「これぐらい?」
「もうちょっと開いてくれるかな」
ママはそう言うと、芽衣子の太ももを自分の両手で掴んで、「よいしょ」と持ち上げるようにして移動させて、両足を肩幅ぐらいにまで開かせた。
「わわっ。こんなに開くの?」
「ふふ、拭き終わるまで、そのままね」
ママはタオル代りのパンツを芽衣子の股間に当てて、さっきと同じように拭き始めた。芽衣子は、敏感な場所を擦られて、不覚にも「んんっ」と叫んでしまった。しかし、ママは斟酌せず、太もも付け根を前後にゴシゴシしたり、股間の丘の部分をグリグリと拭いたりした。
その刺激自体は痛いわけではなく、精々、くすぐったい程度だったが、そこは滅多に他人には見せないし、触らせもしない場所なので、ママに直接弄られて、芽衣子は非常にばつの悪い思いをした。しかし、
(でも、悪いのはおもらしした私なんだから、多少はこんな風な罰を受けるのはしょうがない)
と自省して、歯を食いしばり、顔を真っ赤にしながら、健気に耐え忍んだ。
9 お尻の愛撫
「よし、これでいいかな」
とママは三分近くもジックリと拭いてから言った。
「終わった?」
「ううん、まだだよ。次はお尻を拭いてあげるから、後ろを向いて」
とママは言った。
「えー、まだするの」
と文句を言う間もなく、芽衣子は肩を押されて、クルリと向きを変えられた。
「両手をそこにつきなさい」
とママは言って、芽衣子は目の前のおむつ台に両手をつかされ、再び両足を開かされた。
「これでいい?」
「ちょっと前屈みになって」
「うん」
「それで、お尻を突き出して」
「えっと……」
「背筋を反らすようにしてみて」
「こんな感じでいい?」
「そうそう、いいよ。しばらく、そうしておいてね」
ママは、芽衣子の弓反りになった背中にツーと指を這わせた。芽衣子の体は反射的にビクンとなった。ママはその指をそのまま下方へ移動させて、艶めかしく突き出した芽衣子のお尻の表面上でグルグルと円を描いた。
芽衣子はおむつ台に両手をつきながら、その後ろからの何とも形容のできない刺激を受けて、ゾクゾクと全身に鳥肌が立つ思いだった。
(くすぐったいような、気持ち悪いような……。ママ、いつまで人のお尻を撫で回しているのよ。拭くなら、早く拭いてよ)
芽衣子はママにお尻を向けながら、心の中で密かに文句を言った。
しかし、ママは相変わらず、芽衣子のお尻ばかり撫でていた。芽衣子はとうとう我慢できなくなって、首だけをねじ曲げて、肩越しにママの様子をうかがった。ママは背後でしゃがんでいて、うっとりとした表情を浮かべて、芽衣子のお尻を食い入るように見つめていた。
「マ、ママ。何してるのよ」
「芽衣子のお尻を触っているのよ」
「それは見れば分かるよ。でも、なんで、そんなことを……」
「だって、芽衣子のお尻って、赤ちゃんのお肌みたいに、柔らかくてプニプニなんだもの」
(それって、褒めているのだろうか?それとも、バカにしているのだろうか?)
「だから、もうちょっと触らせて。いいでしょ。ね?」
「ん……」
芽衣子としては、そんな行為を歓迎する気はあまりなかったが、ママの押しの強さに負けて、「いいよ」と言うしかなかった。もうしばらくの間、お尻の肉をモミモミされる刺激に耐えねばならなかった。
「何年振りかしらね」
とママは芽衣子のお尻を揉みながら、訊いた。
「何が?」
「芽衣子がおもらしするのがよ」
「えーと……。五年、いや、三年振りぐらいかな」
「あら、そうかしら。この前も失敗しなかったかしら?確か、一年ぐらい前に」
「え?そ、そうだっけ」
「そうよ。公園でお友達と遊んでいて、その帰りに、間に合わなくなって、パンツを濡らして、泣きながら帰ってきたことあったじゃない。憶えてない?」
「公園の帰りに?うーんと……」
「自分に都合の悪いことはすぐに忘れちゃうのかな?」
とママは茶化すように言った。
芽衣子は頭をひねっていると、
(そういえば、そんなこともあったな……)
と、徐々にその当時の出来事が脳裏に蘇った。またさらに、ほんの三ヶ月程前に、下校中に粗相したことも思い出した。その時のおもらしパンツは何とか自分で始末したので、ママには隠し通したのだった。
しかし、今更それを告白するわけにもいかず、芽衣子は知らん顔をして、黙り込んだ。ママは「全てお見通しだよ」と言わんばかりの不敵な笑みを浮かべていた。
10 頬ずり
ママは突然、芽衣子のお尻をギュッと軽くつねった。
「あうっ。な、何よ、ママ?」
「じゃあ、お尻を拭いてあげるね」
ママは、つねったのを開始の合図のように、拭き始めた。
芽衣子の背後からは、シュッシュッと規則正しい音が上がった。しかし、なぜかその手の力は不自然な程に強かった。
(気のせいじゃないよな……)
と芽衣子は思いつつ、無言のまま、ゴシゴシ拭かれる刺激に耐えた。股間の前を拭かれたのも恥ずかしかったが、お尻を拭かれるのも、それに劣らず照れくさかった。
ママは慣れた手付きで、二つの丸みを左右に割って、奥の方まで念入りに拭いた。芽衣子としては、丁寧にしてくれるのは、ありがたかったが、その一方で、申し訳ないような気にもなった。ただ、
(そこまで執拗にしなくてもいいんじゃないの?)
とも思った。
お尻を拭かれているうちに、ゾクゾクとした感触が高じてきて、また鳥肌が立った。ママにもそれが分かったらしく、
「くすぐったい?でも、もうちょっと、我慢して」
と言った。芽衣子は「ふぁ……」と呻きながら、背筋を反らして、その感触に耐えた。
やがて、ママの手の動きは止まった。
そして、あたかも、終了の合図であるかのように、ママは芽衣子のお尻をピシャピシャと軽く叩いた。
「終り?」
「うん。終り。お尻もきれいになったよ」
「ありがとう」
芽衣子は、ようやく服を着れると思って、ホッとした。
「ねえ、芽衣子」
「何?」
と芽衣子は前を向いたまま生返事をした。しかし、ママは、
「頬ずりしていい?」
と訊いたので、思わず耳を疑って、首を背後へねじ曲げた。
「ど、どういうこと?」
「お尻に頬ずりしていいかしら?」
「そ、そんなの、ダメに決まってるじゃん」
「あら、そう?でも、ダメって言われても、しちゃうからね」
ママはそう言うと、顔を近付けて、芽衣子のお尻にスリスリと頬ずりをした。
「あぁん、ダメだって言ったのにぃー」
芽衣子は恥ずかしさで悶えるように叫んだ。
「うふふ。芽衣子って、叫ぶ時の声も赤ちゃんみたいに甲高くて、可愛いね」
何をしても、何を言っても、ママに馬鹿にされて、芽衣子はくやしくなって、泣きそうになった。
「ママ、もう意地悪しないでよぅ」
と情けなそうな声を上げた。そうすると、ようやく、ママも、
「ごめん、ごめん。ちょっとからかっただけよ」
と言って、おふざけを止めて、立ち上がった。そして、芽衣子を慰めるように、頭をやさしく撫でた。