皮に包まれメイド喫茶で働くことになった少年の話 8
🕑 Added 2021-09-04 13:58:04 +0000 UTC
「どうしたの、ミルクちゃん。動きが止まってるよ。働いて働いて。」
「すみませぇん。すぐに運びますぅ。」
そうだ。これを運べばまたおっぱいを搾られることになるはずだ。そうしたらこの欲求だって解消されるんじゃないか? えっと、次に注文してくれたお客さんは……
「お待たせしましたぁ。『新鮮搾りたてミルクの特製ミルクティ』お持ち致しましたぁ。今準備をしますのでぇ、ちょおっとお待ちくださいねぇ。」
「うん、お願い。」
逸る気持ちを抑え、おっぱいを露出させるため胸元へと手を伸ばして……
あ、あれ? ちょっと待って。そっちじゃない。そっちは、左のおっぱいはさっき出した方。違う、逆だ。俺が搾り出したいのはまだ搾ってない右のおっぱいなのに。
「はぁい、準備出来ましたぁ。お願いしますねぇ。」
「一番搾りは逃しちゃったけど、まぁ仕方ないかな。じゃあ貰うね。」
「ひゃんっ!!」
さっきと同じく、おっぱいから乳首が引っ張り出される。あれだけ出した後だっていうの飲、搾られるままにミルクが溢れ出していく。
「ふふっ。可愛い。ずっと搾ってたいけれど、残念ながらここまでかな。」
あっという間にミルクポットは満たされてしまった。
「ありがとね。おかわりが欲しくなったらまた声をかけるから。」
「ひゃい……ありがとう、ございます。」
左右のおっぱいに生み出された差が大きく広がっている。左のおっぱいからミルクを絞り出されたせいで、搾られていない右のおっぱいにどれだけ溜まっているのかを意識させられる。
出したい。パンパンに張っていることに気付いてしまったおっぱいからミルクを絞り出してしまいたい。
「あれ?」
左のおっぱいからはミルクポット2つをいっぱいにする位絞り出されたハズだ。だったら小さくなっても不思議はないのに見た目が全く変わっていない。感じる重みも同じまま、揺れ方だって身体の動きに合わせるように左右が揃って揺れている。
外から見れば左右のおっぱいは何一つ変わらない。にも関わらず、俺にとっては全く別物としか感じられなくなっている。
「ミルクちゃん、次は料理を運んでくれるかい。」
「あ、はぁい。」
次こそは、と思ったものの配膳口に置かれていたのはティーセットじゃなかった。そりゃそうだ。特製ミルクティの注文を受けるのは俺だけ、その俺が受けてないんだから出されるわけがない。
用意されていたのはメイド喫茶の定番、オムライスだ。席番号の書かれた伝票が置かれているものの、俺にはどこのテーブルなのかは分からない。
「お待たせしましたご主人様ぁ。オムライスにはぁ、何をお書きしましょうかぁ。」
が、そんな心配は必要なかった。皮に操られるままオムライスを届ける。特製ミルクティを注文して貰えるよう頼もうと思っていたのに、身体はそれを許さず勝手にケチャップを構える。
「そうね。『世界がヤバイ』とでも書いてもらえる?」
「はぁい、かしこまりましたぁ。美味しくなぁれ、おいしくなあれ。」
やるべき仕事を終えるまでは勝手な行動はとれないみたいだ。言われたままにケチャップで文字を書き終えると、ようやく身体が解放された。
「あのぉ、ご主人様ぁ。もしよろしければぁ、ご一緒に『新鮮搾りたてミルクの特製ミルクティ』も如何ですかぁ?」
今の媚びた口調は俺が自分でしたのか、皮に操られたのか。そんなのはどうでもいい。溜まったミルクを絞り出して貰いたい。皮に邪魔されなかったってことは、メニューを勧めて注文を取るのは別に禁止されてないってことだよな。
「う~ん。じゃあちょっとメニューを見せて貰えるかな。」
「え?」
「え? って? おススメにするにしたってどんなものか見せて貰わなくっちゃ判断のしようがないじゃない?」
それはそうかも知れないけど……今まではお客さんに引き出されていたこのビーズを自分の手で引っ張り出せ、ってそういうことか?
「あら。おススメしてきたのにそこまではしたくないって感じ? だったらいいわよ。別にこっちも注文はしないだけだしね。」
「ま、待ってくださいぃ。メニューはこちらに……ひんっ!?」
慌てて股間から垂れ下がる名札を引っ張りだす。これまで何度も引き出されたはずなのに、自分でこうして引っ張るとタイミングを完全に把握できてしまうせいでビーズ一つ一つの凹凸まではっきりと意識出来てしまう。
「こ、こちらですぅ。如何でしょうかぁ。」
足をガクガクと揺らしながら机の上に名札を置く。
「う~ん。ちょっとお高いかなぁ。今日はもうオムライスを注文しちゃったし、次に来た時にキミが居たらケーキと合わせて注文させてもらうよ。それでいい?」
「は、はい。」
一度断られた後に更に売り込むことは出来なかった。
それから何人かに断られたものの、なんとか注文を取ることに成功した。
それなのに……
「ではぁ、好きなだけミルクを搾って下さいねぇ。ご主人様ぁ。」
そっちじゃない。そっちはもう絞って貰った方だ。なんでまた同じ方を搾らせるんだよ。
結局あの後も、搾って貰えたのは左のおっぱいだけ。右のおっぱいは一度たりとも搾って貰えなかった。搾られるたびに左右のおっぱいの差が広がり、全く解消されることなく閉店の時間を迎えてしまった。
アルバイトの仕事には当然片付けや掃除も含まれる。皮の補佐があるおかげで困ることもなく、一通りの作業を終えることが出来た。
こうなったらトイレの個室でおっぱいを搾ろうかと思った矢先、店長に声をかけられた。
「お疲れ様、ミルクちゃん。作業が終わったなら事務所まで来てもらえる?」
「はぁい、分かりましたぁ。」
そのまま2人で事務所へと移動する。
「改めてお疲れ様。初めての仕事だったけれど、困ったことはあったかしら。」
「い、いえぇ。この皮のおかげもあって仕事はスムースに進められましたぁ。」
流石におっぱいを搾りたくて困っている、なんてことは言えない。これが元々の皮の機能で、店長にはバレバレだとしてもだ。
「それはよかった。あ、今日の分のお給料です。お約束通り、前渡しの分も入れてありますからね。」
「あ、ありがとうございますぅ。」
渡された封筒にはしっかりとした厚みがある。これでカード台が稼げたのだけれど、正直気が重い。受け取ってしまった以上、途中でアルバイトを止めることは許されない。きちんと金額分、この格好で働き続けなければならないってことだ。
「さて。そうしたら今の恰好はここまで、ですね。」
あ、そうか。皮を脱いでしまえばおっぱいを搾りたいって欲求からも解放されるはずだ。
「では、ちゃんと用意してあるのでこちらを着てくださいね。」
「……ふぇ?」
差し出されたのは、肌色の全身タイツ。いや、全身タイツじゃない。今着ているのと同じく、人の形をした皮だ。
「あ、あのぉ。どういうことですかぁ? 仕事が終わったらこの皮を脱げるんじゃ……」
「どういうこと? ちゃんと契約書にも書いてありましたよね? アルバイトとして契約している間、その皮はずっと着用してもらうことになること。ただそれでは日常生活に支障が出るので普段は元のアナタの姿を模した皮を重ね着して貰うことになる、と。」
……は?
「そ、そんなの。聞いてないですぅ。」
「聞いていようが聞いていまいが、契約書に書かれていますしアナタはちゃんとサインしていますよね? それが全てですよ。それとも、こちらの皮を着用せずに帰ります? それでも別に構いませんけど。」
重ね着をしないってことは、この姿……流石にメイド服は脱ぐにしても隠しようが無いほどに大きくなったおっぱいやお尻のままで変えるってことだよな。流石にそれはまずい。顔だって違うし、お母さんに俺だって信じて貰えなく……
「あ、あれ?」
「どうかしました?」
お母さん……なんでだ? 顔が、浮かばない。思い出せない。それだけじゃない。俺の家ってどんな家だった? 部屋は? それに……俺の名前は!?
「あら。ひょっとして抜き取られた中には自分や家族に関する記憶も含まれているんだって今頃気付きました?」
「ウソ、ウソ……返してくださいよぉ。」
てっきり元の口調で喋れないとかその程度だと思っていた。自分のことまで忘れているだなんて。皮の下にあるハズの本当の顔すら今の俺には思い出せなくなってしまっている。